今から大学受験の準備を始める人向けに、「なにを・どれくらい・どうやって」学習したらいいのかをまとめました。どれも定着には時間がかかりますが、今から始めて高3の夏までには一度終わらせておけたら理想です。
当ブログでは「長文の読み方」も解説しています。でもその前に、そもそもの基礎力がついていないと長文は読みこなせません。まずは以下の項目を日常ルーティンに組み込みましょう。長文読解は、これらがしっかりとこなせるようになってからでも全く遅くはありません!
- 単語学習
- 文法・語法学習
- 長文問題
- リスニング(必要な人のみ)
順に詳しい学習方法を解説していきます!
①単語学習の方法
使用教材
何はなくとも「単語」です。何冊も終わらせる必要はありません。
「ターゲット1900」でも「LEAP」でも「システム英単語」でも構いませんが、なるべく「1冊で受験単語が網羅できるもの」を用いましょう。学校で配られたものでOKです。「速読英単語」は中級・上級で2冊に分かれており、難関校を狙う場合は2冊こなさなくてはならないため、少し面倒かもしれません。
1~2年生のうちに、学校で配られた単語帳を網羅している場合も、そこから最低数周の間は同じ単語帳を使ってください。とにかく1冊を抜けなく完璧にするつもりで。
時間配分
受験勉強を始める段階では、単語帳に1日最低「15分(できれば20分)×2回=30分」は目を通すようにしましょう。できればその他のスキマ時間(電車に乗っているときなど)もちょこちょこ目を通していけると、さらに良いです!
勉強法
1~3周目は、まず以下のことができるように。
- 単語を見て正しい発音ができる
- 単語を見て、日本語の意味が一瞬でわかる(本当に一瞬で!)
4~5周目は、以下の理解も追加していきましょう。
- 単語を見て、品詞がわかる
- 赤字以外の意味や、例文で使われている頻出用法がわかる
英作文や、英検の対策が必要な場合には、3.5周目あたりで「日本語訳→英語」が書けるかも試してみましょう。ただし、英検準1級を目指す場合を除いては、前半の「頻出単語」のみの実施でOKです。
たくさん周回して完璧にしていきますから、チビチビ進めていると全く終わりません。一気にたくさん、しつこく何度も。これが鉄則です!できれば受験前の夏までに、3周目までは終わらせておきましょう。
②文法・語法の学習方法
使用教材
こちらも、学校で配られたものがあれば基本的にはまずそれを終わらせましょう。
具体的には「Next Stage」「Vintage」「頻出英語標準問題」などでしょうか。「英文法ファイナル問題集」や「頻出英文法・語法問題 1000」は、これらを終わらせた夏以後に取り組むのでもいいかもしれません。
1つ気を付けなければいけないのが、学校が「普段授業で学習しているよりもさらに高いレベルの教材を渡している」場合です。(自称?)進学校に多いケースですので、問題や解説を読んでみて、これまでまったく学習していないようなこと、理解できないようなことが書いてある場合には、基本的なレベルのものから始めましょう。
時間配分
こちらも単語同様、1周や2周したくらいでは完成しません。毎日同じ時間を確保し、受験前までコツコツと積み上げましょう。
おすすめは「毎日30分」。ただしこれは問題を解く総時間ではありません。
学習方法
毎日30分のうちに、
- 前日までの復習
- 新規問題を解く→マル付け
- 解説を読み、自分の言葉で理解する
- (必要があれば)関連する項目の復習
これらすべてを行うようにしてください。最初は時間をオーバーしてしまっても大丈夫なのですが、受験が近づくにつれてやることが多くなりますので、なるべくコンパクトに知識を復習・定着させる習慣をつけておきましょう。復習重視で行うと、短時間に収めることができますし、知識定着の効率も良いです。
③長文問題
使用教材
これも特に何でもよいです。「ポラリス」「レベル別問題集」「The Rules」など。
できれば、どれも一番簡単なレベルから始めてみてください。そして「読める」だけでなく、「友達や下級生にその長文を解説できるか」という視点で眺めてみてください。「なんとなく読める・意味が分かるような気がする」だけでは、その長文を読み込むレベルに達していないのです。また文法、単語も自分の学習レベルに合っているかを入念にチェックしてください。
学習時間
下記の「学習方法」に詳述しますが、あくまでも毎日の学習ルーティンの中では、長い時間を長文に確保する必要はありません。もちろん、過去問をやりこむような直前期にはその限りではないことを念頭においてください。
学習方法
まず、問題を普通に解いて、採点、そしてわからなかった箇所は解説を読み込みます。ここまではごく普通に実施します。
その後、解いた問題は「リーディング用教材」として、毎日1回は目を通すようにしてください。
このとき、「意味が取りづらかった箇所」「文法の理解が抜けていた箇所」「知らなかった単語の使い方」などを友達や下級生に解説するつもりで、1つ1つ頭を使いながら読んでいくこと。
これを毎日繰り返していけば、英文の構造や論理構成などが自然と頭にインプットされていき、読解の正確性とスピードが増してきます。これがスキなく完成した段階で「パラグラフリーディング」などの手法を取り入れると、受験英語はグングン読めるようになります。
④リスニング(必要な人のみ)
使用教材
リスニングは、対策が必要なテストの過去問を用意しましょう。英検なら英検、共通テストなら共通テスト。まずはそれを聞きこんでいくのが1番です。
時間配分
毎日15分(時間が取れる人はそれ以上取ってもOK)。リスニングは、「伸びるのも早いが、衰えるのも早い」スキルです。一度始めたら、テスト前日まで絶対に学習をやめないこと。
学習方法
- 英文を流し、書きとる(ディクテーション)
- 書きとれなかった箇所を明らかにして、音読
- 文章全体の意味が分かるようになったら、音声を流してシャドーイング
このような流れができると理想です。もちろん、1回やっただけで満足しないこと。同じ教材は2~3周するつもりで取り組みましょう。
ディクテーションやシャドーイングのやり方は、ここでは詳述しませんので、ぜひ他のブログや動画などで確認してみてください!
まとめ
受験英語でスタートダッシュを決めるために、高3の夏までに取り組んでおきたい学習内容とその方法についてまとめました。英検など外部試験利用の場合は、これに加えスピーキング・ライティングの対策があるわけです。ということは、時間はあるようで全然ないのですね。
忙しい学生の皆さんには「一度勉強したことを、どれだけ効率的に定着させるか」という視点を持っていただければと思います。最初の段階で新しい教材をやればやるほど、知識は散漫になります。そして、すっかり忘れた分の問題に費やした時間は、無駄となってしまうのです。新しいものにどんどん触れるのは、基礎力を定着させ、それを武器にしてからでも全く遅くはないですよね。