【解説】2025年度 北海道大学 英語 大問1

【過去問】北海道大学

2025年度 北大英語の解説です。

著作権の関係上、問題そのものは載せていません。インターネットで過去問を手に入れてもいいですし、赤本があれば読みづらかった文法箇所も全訳でチェックできるので、そちらを用意してもOKです!

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問題は手元に用意してもらえたでしょうか?それでは解説ノートを見ていきましょう。

2025年度 北海道大学 英語 大問1

◎北海道大学 大問1、大問2の解き方

  • 全体…パラグラフリーディングで、段落ごとの要点、および文章全体のスタンスや主張を読み取る
  • 空欄補充問題…段落の内容から、空欄にどんな意味の言葉が入るべきなのか、読みながら検討をつけて横にメモしておく
  • 日本語訳・記述問題…文法は正確に処理しつつ、段落の内容も考えながら、矛盾のない文章を考える

北海道大学の英語は、国立大学の英語としては非常に堅実なレベルと思ってOK。特に大問1、2は「パラグラフリーディングで、段落ごとの要点、および文章全体のスタンスや主張を読み取る」ことができればもう問題は半分以上解けたも同然だ。

加えて今回の25年度大問1は、「選択肢の精査」をしっかり行うことで、一度も本文を読み返すことなくスピード解答できるような内容になっている。

したがって、この記事ではまず「本論の主張」を探していき、次に「選択肢の精査」を行う。

もし余裕があれば、記事を読み進める前に自分で以下のワークに取り組んでみよう。

「本文を読み、各パラグラフの目的と内容を、それぞれ1行でまとめよ。」

これは、パラグラフリーディングの肝となる最重要視点だ。慣れるまでは、必ず自分でも実施してみよう。

各パラグラフの目的と内容

今回も、いきなりワークの答え合わせから入っていく。パラグラフの役割を正しく読み解くことができていれば、本論の主張もおのずと見えてくるはずだ。

  • 第1段落:トピックの提示「ベーシックインカム(UBI)」
  • 第2段落:UBIの説明「長い歴史を持つ概念で、最近は著名人も賛同している」
  • 第3段落:UBIを導入すべき時代背景とその利点「AIの登場で雇用機会が奪われる人々に金銭的援助を与えることができる」
  • 第4段落:UBIを導入すべき国とその利点「インフレが起こっている国では生活費の足しになる」
  • 第5段落:UBIに反対する人々の懸念「UBIを受け取ると人は怠けてしまって、お金を浪費する」
  • 第6段落:懸念を覆す肯定的な研究結果「お金を受け取った人々は生活をよくするためにそのお金を使った」
  • 第7段落:まとめ「まだ検討事項はあるものの、UBIは貧困問題を直接的に解決する手段である」

どうだろうか。

今回特に大事なのは、第5段落以降の流れだ。結局のところ、本論ではUBIを肯定的に捉えていることが伝わってほしい。

この流れを押さえておけば、あとは選択肢の精査だけで解答が完了する。具体的には、作者の主張に沿うかどうかに照らして選択肢の仲間分けをしていき、解答となる「仲間外れ」の選択肢を探していく

それでは早速問題を見ていこう。

問1

UBIの概念を説明する選択肢が並ぶ問題だ。ここではUBIの概念に適さない、仲間外れを探していこう。

ただ、この問題は北大の問題としては少々易しすぎるレベル。もはや精読する必要も込むないほどだ。選択肢A-Dをぱっと見ると、A-Cには「all citizen」という単語が並んでいるのに対し、Dでは「only a few people」という言葉が使われている。

ベーシックインカムの受給対象と考えれば、対象者を限定する表現が入ることがもはや概念としてはおかしい。したがって正しくない選択肢=正解はDとなる。

問2

慌てて本文中の下線部(2)に戻って確認する必要はない。まず選択肢Aを見てみてほしい。

「労働者がAIに頼りすぎる危険性」

覚えているだろうか。労働者とAIの関係について述べられた段落を。そう、第3段落で「AIが人々の雇用機会を奪ってしまうが、UBIでそのマイナスを補填することができる」という内容が述べられていた。つまり、ここはその前半のAIに関わる部分の内容を適切に述べている選択肢を探していけばOK。

すると、続くB、Cの選択肢ではAIに肯定的な内容が述べられているため、不適。

Dの選択肢では、きちんとAIのリスクが適切に述べられているため、これが正解の選択肢となる。

問3

和訳問題は落ち着いて処理していこう。とにかくさきほどまとめた段落ごとの目的・内容とズレないように記述を作成していけばOK。

文法的には「with A+B」の用法、受け身になっている名詞の後置修飾「not seen」の2つに注意しよう。

記述例「収入格差が大恐慌以来のレベルに達している状況で、この提案は明確な解決策を提示する。」

指示代名詞「this」の内容を明らかにする必要は、大学側の提示している解答を見る限りはなさそうだ。

問4

またも慌てて下線に戻る必要はない。まず選択肢Aを見てほしい。

「social problems in society, such as laziness」とあるから、これは「UBIにまつわる人々の懸念」の内容だ。つまり、B以下の選択肢も「懸念事項」「懸念事項でないもの」に仲間分けしていけばOK

  • B:懸念事項(重要な仕事をしなくなってしまう)
  • C:懸念事項ではない(時間をよりよい生活のために使える)
  • D:懸念事項(ギャンブルやドラッグ、酒に手を出す)

CだけがUBIの利点を述べているから、これが仲間外れ=正解の選択肢となる。

問5

記述の場合は、本文に戻って下線部がどの段落か確認しよう。

第6段落の内容は「懸念を覆す肯定的な研究結果」だから、お金を与えたことでポジティブな結果が得られた部分を落ち着いて日本語にすればOK。具体的には「This led to ~ part-time work.」の部分。

記述例「パートタイムではなく常勤の仕事を探すためにより多くの時間をかけられるようになっただけでなく、将来に対して不安な気持ちが減少し、より楽観的になった。」

問6

本文の内容と一致するものを選ぶ問題。これも、最初にまとめた内容と本論を元に、当てはまらない内容やワードをどんどん消していけばOK。

  • A:「UBIは失業した時でも助けてくれる」→UBIは全国民を助けてくれるから、正しい。
  • B:「政府はUBIを実行するための法律を通そうとしている」→UBIはまだ検討段階だから、不適切。
  • C:「UBIは生活の質を向上させ、生活の満足度を高めることにつながりうる」→UBIについてポジティブな見解かつ実験結果(よりよい生活にお金を使った)とも合致するから、正しい。
  • D:「UBIはインフレを引き起こす」→UBIにそのようなネガティブ効果はなく、むしろ逆なので、不適切。
  • E:「UBIは貧困を悪化させる」→UBIにそのようなネガティブ効果はなく、むしろ逆なので、不適切。
  • F:「UBIは失業を引き起こす」UBIにそのようなネガティブ効果はなく、むしろ逆なので、不適切。

というわけで正解はAとC。もはやD以下は読む必要もないかもしれない。

まとめ

今回は非常にシンプルな問題だった。それだけに、何度も本文に戻って逆に不要な混乱を引き起こすことは避けたい。

解き方としては、しっかりまず本文を読む(難しい構文や単語は全く必要ない)。内容を整理する。そのうえで問題に取り組む。

これが最も速く、堅実な解法かと思う。

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それと、2024年度の問題については、以下の記事をご参照あれ。

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